建設業界若者インタビュー

  1. ホーム
  2. 建設業界若者インタビュー
  3. 洋林建設(株)建築部工事課 藤川桃佳さん

洋林建設(株)建築部工事課 藤川桃佳さん

周南市に本社を置く総合建設業・洋林建設(松江卓郎社長)に、今年4月、2人の女性技術者が入社しました。うち1人は同社にとって初めてとなる建築技術者・藤川さんです。「将来、我が社の建築女性技術者の先駆けとして、素晴らしい建築物を建ててもらいたい」と、会社の幹部や先輩たちが温かく見守っています。その藤川さんに、建設業に入るきっかけや夢について語ってもらいました。

建設業に入るきっかけは?

幼い頃、テレビで家造りやリフォームなどの建築関係の番組を見るのが好きでした。その影響で小学6年生の頃、大工さんや左官屋さんになりたいと思い、それがだんだんと建築を学びたいと強く思うようになりました。高校進学の時は、迷いなく地元の建築科のある高校を選びました。CADや実習をしているうちに、将来は、現場監督になりたい、自分で設計した家を建てたいと思うようになりました。それが、建設業に入るきっかけです。

実際に建設業に入ってギャップとかは感じましたか?

男性の職場という印象はありました。しかし、すぐに会社の一員として温かく迎え入れてもらえました。女性だからといったギャップは別に感じませんでした。むしろ、“がんばろう”という気持ちが強くなりました。

女性というハンディは感じましたか?

入社して現在まで感じていません。上司も女性だからと思わずに、何でも挑戦しろと応援してくれます。ただ、これから現場に出ると今まで経験したことのない場面に遭遇するかもしれません。今のうちにアドバイスを受けながら、対応できるよう頑張りたいと思っています。そして、少しでも早く皆さんと打ち解ける関係を築きたいと思っています。

今の業務は?

 本社で積算を学んでいます。図面を見ながらする仕事は分からないことが多くて困ります。先輩に質問をよくしますが、瞬時に的確な答えが返ってくるので圧倒されることが多いです。また、新しく導入したBIM(設計ソフト)の研究チームの一員に選ばれ、コンピューター上に現実と同じ建物の立体モデル(BIMモデル)を再現して、よりより建物づくりに活用していく仕組みを研究し、現場にも導入できるよう取り組んでいます。

 12月からは工場の研究棟新築現場に出ます。先輩たちや職人さんの足手まといにならないよう心を引き締めているところです。それと、現場にBIMが取り入れられるように試行錯誤していくつもりです。

目標と夢は?

 1級建築士、1級建築施工管理技士の資格試験に合格することが目標ですが、今は、近々試験がある2級建築施工管理技士(学科)に合格することが目標です。夢は、まちのシンボルとなる建物造りに携わることです。

女性の建設業進出については?

 出産・育児で休職、退職する人が多いと聞きます。うちの会社もそうですが、今は、産休・育休などの制度や環境が整っている。欲を言えば、休暇がもっとあれば良い、産休や育休で長期間休んでも、会社に戻りづらくない職場環境をもっと作ってくれれば、女性が増えると思います。ただし、休職しても喜んで受け入れてもらえるよう、私たちが“がんばること”が一番重要なのかもしれませんが・・・。(苦笑)

プロフィール

平成30年3月県立柳井商工高校建築・電子学科建築コース卒業、同年4月洋林建設入社、建築部工事課に配属。好きな言葉「人生山あり谷あり」。「山の山頂と谷間では景色が違う。一つの見方に縛られず、視野を広げる」をモットーにする。趣味は映画鑑賞。家族は父、母、姉。平成12年1月20日生。下松市出身。

中建日報 2018/10/10(No.181010006)