(株)大島組 建築部工事技術員 田中 颯さん
祖父の背中を追って天職に
「人と話すことが大好きなので、仕事はとても楽しい」と、満面の笑みで話すのは、2022年に大島組に入社した田中颯さん。
幼い頃からおじいちゃん子だった田中さん。建設業に従事していた祖父は、自身が設計して建てた家に住み、補修や棚を作るなど、その職人姿が日常風景だった。その影響で、ものづくりに対する興味が徐々に憧れと変化し、山口県立岩国工業高等学校都市工学科へ進学し、土木を学んだ。
「でも就職を考えた時、祖父の姿が浮かんで、どうしても建築系に行きたい気持ちが大きくなった。三者面談で、前日に求人が届いたと先生に薦められた企業が大島組。ホームページの施工事例に、なじみ深い玖珂町総合センター奏や玖珂小学校を見つけて、即決しかなかった」と田中さん。
「祖父の影響で、建設会社=大工のイメージが強かった。実際は現場を管理する仕事で、割とパソコン仕事が多い」と苦笑する。「職人の仕事を見ていると、自分もやってみたいなぁと思う。でも監督業は、最初から最後まで携われるから、何もないところから建っていく様子を間近で見られるし、色んな職人と一緒に造り上げるという仕事には変わりなく、現場のみんなと力を合わせて作業をすることが何よりも楽しい。将来、結婚や出産など転機を迎えたとしても、この仕事はずっと続けていきたい」と、熱を込める。
「最初の現場では主に写真や記録係。何もかもわからないことだらけで、聞くことが仕事。でもある程度重ねたら、自分なりの答えを出してから、その判断が正しいかどうかを聞くなど、毎日が勉強だった。少しでも職人が仕事しやすいように、自分なりに色々気を配るよう心がけていた。この4月から2現場目。仕事の流れや理解していることも増えているので、前現場と比べてスムーズに動けているのではないかなと。理解できていることが実感できて嬉しい」と笑みを浮かべた。
この仕事の魅力を尋ねると「仕事内容というより、現場には様々な職人が年齢層も幅広くいる。仕事の話だけでなくプライベートな話でも色々な知識が身につけられる。厳しい声もあるけど、それは私のためを思って言ってくれるので、とてもありがたい。コミュニケーションを取ることは大好きだし、知らないことを知る喜びも満たされるし、この仕事は私の天職だと思う」と笑った。
「将来は一人で現場を回せるようになりたいので、一級建築士を取らなければ話にならない。二級の筆記は合格して、あとは実務経験だけ。指定学科卒業じゃないことがホンの少しだけ悔やまれる。あと、大島組は公的なコンクリートの建物がメインだけど、いつか祖父のように木造にも携わってみたい」と目を輝かせた。
好きな言葉は『為せば成る、為さねば成らぬ何事も』。「仕事もプライベート(趣味)も、とりあえずやってみる。あとは失敗しても『死ぬこと以外はかすり傷』の精神で恐れず挑戦。たとえ失敗しても、そこから得られたものが次につながる」と超ポジティブシンキング。
プロフィール
2003年6月生まれ、岩国出身、母と4人兄妹の5人家族。高校時代のコンビニバイトで、持ち前のコミュ力の高さに磨きをかけた。趣味はおしゃれにお菓子づくりと女子力も高い。休日には好きな服に身を包み、ピアスやネイルで自分をアップデートさせてリフレッシュ。今でも祖父の家に通っては、仕事の話や相談で盛り上がると生粋のおじいちゃん子。