株式会社金子塗装店 長岡莉沙さん
山口県では、職業能力開発促進法に基づき実施した技能検定試験で優秀な成績を修めた技能者を知事表彰しているが、鋼橋塗装作業を受検した株式会社金子塗装店(萩市大字椿東、金子成志社長)の長岡莉沙さんが2024年度技能検定成績優秀者に選ばれた。そこで長岡さんに試験の感想や今後の目標などを聞いた。
知事表彰を受けたことについて
学科は、自己採点だが88点(100点満点)はとれたと思う。実技は県に問い合わせていないので何点だったかはわからないが、知事表彰の対象基準が平均90点だと聞いたので、点数はかなり良かったと思う。以前、建築塗装の2級を受けた時の学科の資料を残していたので、それを参考に半年前から勉強を続けてきた。受けるのであればトップの成績で合格したいと思い、前回を超えるように猛勉強した。
検定試験で心がけたことは
緊張すると工程を抜かすなど普段しないような失敗をするので、落ち着いて作業できるよう自分に言い聞かせた。実技試験の課題をつくり、休みの日に会社で練習を重ねてきた。練習が無駄にならないように、普段通りに作業することを心がけて試験に臨んだ。普段は主に建築塗装に従事しているので、鋼橋塗装の経験は少なく道具や機械も違うが、意外と良くできたと思う。塗膜除去に使うディスクサンダーも建築用とは違い、スクレーパーもあまり触ることがなかったので、先輩たちにコツなどを聞きながら練習した。試験は冬にあるが、汗をかくぐらいきつい練習だった。塗る作業もあるが、刷毛の持ち方も建築塗装とは違うため、薄かったかもしれない。
限りある時間の中、自分で配分を決めて作業するのは難しい。塗膜除去は、30分間で作業しなければならず、体力的にもきつかった。
塗装の仕事をするきっかけは
金子社長の子供と知り合いで、その縁もあって今の会社に就職した。昔から現場作業をしたいと思っていた。仕事をする姿や服装がかっこ良く、この業界に入る前、塗装作業は簡単だと思っていた。いざ作業してみると仕事の基礎である養生も難しく何もできなかった。
仕事の魅力について
橋など、ずっと残るものをつくる仕事に携わる。塗装することで、鋼材などを保護して美装や機能性を付与している。また、建築塗装では、古くなった建物が塗装することで新築同然のようになり、お客さんに喜んでもらえる。
今後については
塗り替えを考えているお客さんに、金子塗装店の長岡をと指名してもらえるようになりたい。そのために信頼関係を築くようにしている。細かい所や見えない所も手を抜かずきちんと作業することにこだわっている。また、有機溶剤作業主任者の資格を取得したい。
【ながおか・りさ】
高校卒業後、2013年4月に入社。1級塗装技能士(鋼橋塗装作業〈23年度〉、建築塗装作業〈24年度〉)。座右の銘は「失敗は成功のもと」。いまだに失敗することもあり、失敗しなければ悪い所がわからず次につなげられない。後輩に教える時も、失敗しなければわからないことがあると言っている。趣味は、スニーカー集めでエアージョーダンにはまっている。また、景色の良い所でゆっくりし、風景を眺める。1995年1月6日生まれ。
中建日報 2025/2/3