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「今を全力」現場を照らす存在に

株式会社中電工山口統括支社屋内電気工事課 大杉朋可さん

画像:大杉朋可さん
建設業の未来を支える
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 夜の静けさに包まれた建設現場で、照明が一斉に灯る瞬間。それは技術者にとって、積み重ねた努力が形となって現れる特別なひとときだ。

 「一斉点灯の瞬間が一番感動する」。そう語るのは、中電工山口統括支社屋内電気工事課の大杉朋可さん。現在、病院の建設現場やマンション建設に携わる電気工事の技術者だ。

 大杉さんがこの業界に興味を持ったきっかけは、幼い頃に他界した伯父の影響。土木系の施工管理に携わっていた伯父の仕事ぶりを誇りに思い、「大人になってから思い返すうちに、自然とその道を志していた」と話す。大学では循環環境工学を学び、エネルギーや環境と関わるインフラ分野に関心を深める中で、電気設備の果たす役割に興味を抱き、就職活動で「電気設備」の分野に魅力を感じたという。

 入社後は、図面作成や現場の工程調整などを経験。最近では照明の調整・点灯作業を通じて、「空間に命を吹き込むような達成感」を味わっている。イベントにあわせて色が変わる外壁照明なども手がけ、「照明の力で建物の印象がガラリと変わるのが印象的だ」と目を輝かせた。

 「現場では性別による違いを感じることはほとんどない」と話す。理系を選択した高校時代から工学部、そして建設現場と、常に男性の多い環境で過ごしてきたこともあり、「その状況にはすっかり慣れている」と笑う。一方で、女子トイレの整備など、女性に配慮した環境整備が進んできたことには感謝しているとしつつも、「女性だからと特別扱いされるのではなく、一人の技術者として普通に向き合ってもらえる方がありがたい」と、等身大の姿勢を崩さない。

 現在は、消防設備士(甲種4類)の資格取得に挑戦中。また、担当するマンション建設現場では、「先輩のサポートを受けつつも、自分で考えて動き、その責任を持つことを意識している」と日々の業務に向き合っている。

 「失敗はしても、うじうじしない。次の日には気持ちを切り替えて前に進む」。そう語る大杉さんの座右の銘は『今を全力』だ。まさに、その言葉通りの働きぶりで、現場を明るく照らしている。

 「将来は、デザイン性の高い建物や、人々が思わず見上げたくなるような空間にも携わってみたい。キラッとした照明が映える建物に、自分の手で命を吹き込めたら嬉しい」と語る大杉さんのまなざしには、未来を明るく照らす光が宿っていた。

大杉さんの横顔

1996年生まれ、山口県宇部市出身。宇部高校から山口大学工学部循環環境工学科を経て、2019年に中電工へ入社。趣味はゴルフ。母が保管していたクラブセットをきっかけに、現場仲間の誘いで始めた。かつて軽音部で奏でていたギターをゴルフクラブに持ち替え、気分をリフレッシュ。

中建日報 2025年6月9日掲載